『必殺からくり人』ぼんやり備忘録

■たまたま再放送で観たので、備忘を残しておく。ただ、正直、途中で飽きる。フォーマットがガチガチに固くて、お話にも映像にも変化が乏しい。テレビ時代劇の基本的な性質だけど、故に個人的にあまりテレビ時代劇には思い入れがないのだな、と納得した。

■第1話「鼠小僧に死化粧をどうぞ」(脚本:早坂暁 監督:蔵原惟繕)は、再放送で観ているけど、これで蔵原惟繕の名を知った。日活時代の映画を観たのは、ほん最近のことなのだ。東映でも大映でも観たことのない奇抜なアングルを繰り出して、当時の京都映画のしゃかりきなやる気をアピールする。監督の指示というより、現場スタッフの創意工夫だろうなあと、推察する。鼠小僧夫夫婦に財津一郎横山道代という、無駄に豪華な配役も、昭和ならでは。作風はそのままNHKの『天下御免』を引き継いでいるので、素直に楽しい。時代劇はこれじゃないと!

第3話「賭けるなら女房をどうぞ」(脚本:早坂暁 監督:工藤栄一)は問題作で、米相場を操作するために百姓一揆を起こさせて、所定のタイミングで一気に終結させるという大掛かりな経済犯罪を描いた。低予算なのに。古川ロックという人をはじめて認識した。

第6話「秘めごとは白い素肌にどうぞ」(脚本:中村勝行、監督:松野宏軌)はオーソドックスでいいアイディアでした。ご禁制の日本地図を国外に持ち出すのに隠し彫を利用するアイディア。まあ、隠し彫はよく出てくるけどね。大関優子は、佳那晃子だ。若い。

第7話「佐渡からお中元をどうぞ」(脚本:早坂暁、監督:松野宏軌)は、佐渡金山から運搬される金塊を横取りして、将軍献上の氷の運搬に紛れて関所を突破するアイディアが珍しい。金塊は、金鉱労働で死んでいった人夫たちの遺族に分配されるのでした。

緒形拳は途中から他の仕事で忙しく、とにかく山田五十鈴が出突っ張りという印象だ。珍しいなあ。そしてお得意の三味線を弾きまくる。

■でもずっとみているとさすがに単調で飽きる。低予算だし、ロケ地に変化がないし、キャメラマンが同じなので、毎回同じような画が続く。さすがに金太郎飴だ。石原興の画角とか画面構成が好きならいいのかもしれないけど、あまりに画一的なので、辟易する。まあ、様式美なんだろうけど。

■シリーズ終盤は緒形拳がどんどん出なくなり、それでも緒形が死ぬ、第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」(脚本:早坂暁 監督:蔵原惟繕)はさすがに傑作だった。蔵原惟繕の演出、さすがに凄いなあ。おなじみ、鳥居耀蔵岸田森も登場するけど、ほんのちょっとだよ。1976年の撮影だから、まだ元気そうだ。

■まあ、早坂暁が頑張ったけど、いま観ると意外に厳しいなあ。蔵原惟繕は、日活時代はもっと凄かったからね。

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