基本情報
殺るかやられるか ★★★
1966 スコープサイズ(モノクロ) 87分 @アマプラ
企画:山本武 脚本:中西隆三、藤井鷹史 撮影:峰重義 照明:土田守保 美術:松井敏行 音楽:伊部晴美 監督:野村孝
感想
■殺した男の妻(芦川よしみ)と愛し合うことになるやくざ(高橋英樹)を描く、れっきとしたムードアクション。非常にありきたりの構図なんだけど、書いているのが中西隆三と長谷部安春の仲良しコンビで、嗜好としてはハードボイルドな男たちのはずなのに、何故かメロメロのメロドラマを構築する。完全にムードアクションで、でも裕次郎じゃなくて、高橋英樹。しかも演出も、叙情よりもハードボイルド派の野村孝なので、非常に不思議な座組。裕次郎用に書いた本をサルベージしたのかな?
■配役も異色で、佐々木孝丸、加藤武、杉浦直樹という脇役で固める。特に杉浦直樹が屈折した面白い役で、高橋英樹とライバルになる。演出的には、舛田利雄とか蔵原惟繕のようにはいかないけど、かなり意識的に踏襲していると思う。
■でも、運命のヒロイン(未亡人)が芦川よしみで、もっと良くなったはずという気もするけど、演出も撮り方もやや粗い。まあ、配信マスターが相当にガタガタで、見せ場にビデオノイズ(昔のビデオテープか!)が盛大に出るので、興ざめということもあるけど。
■未亡人には幼い娘がいて、これも作劇的にはちゃんと生かされていると思うけど、重要な小道具としてオバQのゼンマイ人形が登場するのが貴重な時代色。ちょっとやり過ぎくらいに使い回すから、当時そんだけ流行したんだよね。これだけ大々的に、しかもシリアスな活劇でフィーチャーされるのも珍しいと思うけど。
■主題歌を歌うのが竹腰ひろ子で、なんといっても「東京流れ者」で有名な人。劇中のキャバレーでガンガン歌います。「傷だらけのブルース」「赤い革ジャン」ヒットはしなかったかもだけど、パンチのきいた、いい歌ですよ。
