制作:伊藤純 作&演出:佐野達也
■終戦後から1970年の万博に至る、大阪砲兵工廠跡地で鉄工所を営む一家の三世代の物語。なんで今こんなドラマが?と思ったら、やはり万博対抗企画。その意気やヨシ。
■1969年に大阪城前の広場で、反戦のための万国博(ハンパク!)が開催されたことは、さすがに知らなかった。当然、そんなイベントや運動があったはずとは想像していたけど、実際にちゃんとあったのだ。なにしろ、野坂昭如はちゃんと「葬博」(ソウハク!)を夢想してますから、さすがですよ当時の文化人の想像力は。それに比べて、今のショボさ。。。
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■第二部で、朝鮮戦争特需で息を吹き返す町工場に、猪飼野の在日コリアンが兵器生産はやめるように押しかけるあたりも、これまでドラマで描かれたことがないエピソード(史実)なのでよくやったと思う。ただ、尻切れトンボでドラマ的には消化されていない。非常にもったいない。
■第三部がハンパクの話で、いまやNHK御用達女優、伊東蒼が登場、なんとなく演技のニュアンスが河合優実に似ている気がするのは、じぶんだけ?流行?でも、これもよく描いたよなあと感心。1968年の「九州大学電算センターファントム墜落事故」(知ってる?)の事故現場から在日米軍の抵抗をかいくぐって回収した機体残骸を持ち込むという史実だけど、ほんと貴重なドラマだなあ。すげえ。
■ただ、残念なのは、小松左京が登場しないことだな。大阪砲兵工廠跡地といえば、『日本アパッチ族』の発祥の地じゃないか。知らんとは言わせない。しかも、大阪万博の理念を企画開発した未来志向の中心人物。いまの時代、こんな巨視的な夢想家はいないのだ。残念ながら。だからこそ、第一部と第三部で触れられるはずの重要人物だったのに!
■配役では往年の美人女優(!)麻生祐未が『カーネーション』以来(?)、すっかり老け役に専念して(?)、やけに上手いのが見どころ。ホントにナチュラルに歳をとって、それをそのままリアルに表出するメソッドで、実にリアルで貴重。大変結構だと思います。



