さすがに古びて見える『うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー』

■久しぶりに観たけど、これはさすがに古びて見えるなあ。『機動警察パトレイバー』は意外にもいまだに面白いのに、本作はもう通用しないかもしれない。確かに名場面は一杯あって、特に星勝の音楽が絶品なので、あのカットやあの場面など、一生忘れない尊いインパクトを残していて、そのことはやっぱり確認できたし、感傷に耽ることはできるのだけど、やはり問題は押井守じしんが脚本を書いたことだろう。

■『機動警察パトレイバー』が今もなお面白いのは、脚本の構築によるところが大きい。ちゃんと正統派のサスペンスが機能しているから、時代を超えた普遍性がある。本作だって、アイディアとしては良いのだけど、要は語り口の問題だろう。本作については、押井守ははなからオーソドックスな作劇とか展開は目指していないから、なるべくしてなった映画ではある。その高度なやりっ放し感の開放感は、特に当時最先鋭であったのだが、その手法はさすがに古びて、オーソドックスなものが時を超えるんだな。

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