年を取りました…NHK朝ドラ『カーネーション』備忘録⑥23~24週

#23週「まどわせないで」(演出:安達もじり)

■昭和60年、ヤンキー化した、長女の娘(小島藤子)と暮らす糸子。若い経営者たちにおだてられ、100反の生地をなんとかするはめに。その成功を見て、若手経営者たちから、既製品の新ブランド立ち上げを提案される。

#24週「宣言」(演出:熊野律時)

■糸子は提案を断るが、階段から落ちて骨折、娘から引退を勧告されると、かえって新ブランドというだんじりをもう一度引きたいと決意し、既製品に進出する。昭和61年、糸子のセンスをシニア向けに展開する新ブランドの発表会は三姉妹を迎えて大盛況だった。ヤンキー孫娘は、東京へ帰って高校へ戻ることを決める。

雑感

■「おはようございます。年をとりました…」の一言で、時代は12年ほどぶっ飛んで、糸子は一気に老けました。リアルになりました。このシリーズで渡辺あやは人の老化を丹念に描くことに力を注いでいる。老人にとって、生きているものも、死んだものも、みんな宝ものや。前の週で死んだはずの旦那に御酌していたおかあちゃんはもちろん、北村もその12年の間に、鬼籍に入っている。

■別のドラマが始まったくらいのインパクトだけど、渡辺あやの筆運びは快調で、単純に面白い。たいへん愉快。ストーリーテラーとして抜群だ。新山千春川崎亜沙美の両人もやっと年齢相応の時代に入って、違和感が大幅に減った。ただ、孫娘を演じる小島藤子がまだこなれていないとは感じるけど、結構な売れっ子ですね。知らなかった。

■周防の消息は分からないらしく、それでも男一人で食うに困ってないだろうかと心配しているけど、そういえば、奈津の消息も不明のまま触れられないのかと思いきや、なんと次週(?)に登場するらしいぞ。凄いぞ。因縁の女同士、人生の最期にどんな決着を見せるのか?

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