■戯曲では南部の成金たちが、黒人たちを搾取するだけでなく、純粋な南部貴族の資産を略奪している様が強く描かれ、その犠牲者の象徴が、知力や胆力はないけど、上品で気の良いバーディー叔母なんだけど、そうした成金たちに対する批判もかなりストレートな台詞で語られる。映画ではそこがマイルドになっている。まあ、言いたいことは分かるようになっているけど、あまり露骨にやると赤と言われてしまうから。
■ラストの、「こわいの?ママ」は戯曲では最後のトドメの台詞で、特に夫を見殺しにした母親の罪悪感を喚起するというよりも、完全に敵に回った娘の反撃と未必の殺人の追求が怖いんでしょ?というニュアンスになっている。映画では、そこに若干のゴシック要素を加味して、映画的なアレンジを加えている。この場面のキャメラワーク良いのだ。(グレッグ・トーランドだから当然だけど)