基本情報
ALWAYS三丁目の夕日’64 ★★☆
2012 スコープサイズ 144分 @DVD
原作:西岸良平 脚本:古沢良太 撮影:柴崎幸三 照明:水野研一 美術:上條安里 音楽:佐藤直紀 VFXディレクター:渋谷紀世子 監督、脚本、VFX:山崎貴
感想
■シリーズ三作目で、なんといっても蛇足感が否めないし、意外にもVFXの見せ場は少ない。しかも、最近の山崎貴の映画に比べると明らかにVFXのクオリティが甘いので、逆に言えばこの10年間に大幅に白組は進化したわけですね。
■六ちゃん(堀北真希)が青年医師(森山未來)と結婚する話と、淳之介(須賀健太)がこっそり小説家デビューしていることを知って、茶川(吉岡秀隆)が激怒し、(心で泣きながら)縁を切るという形で、淳之介が巣立ってゆく苦い話の二本立てですね。素人目にも演技のテンションがおかしい人が何人かいて、それが山崎貴映画のおなじみになってしまったけど、あれは何なのでしょうか。
■その中で素朴に輝いているのが堀北真希で、四角いスクリーンに映える容姿のフォルムが実に逸材。フィルモグラフィーを確認すると意外といい映画に出ていなくて、これだけの才能と、映画映えする個性を他で活かせなかったのは残念なことだ。結婚して引退してしまったとさ。。。『白夜行』なんて、ほんとは配役で成功するはずの企画だったのに。
■人生の進路を巡って、淳之介と茶川が対立して大激論になり、お前を絶対許さない、小説家として絶対に叩き潰すと宣言(パワハラ?)して、心で泣きながら淳之介を送り出すあたりの場面がクライマックスになるけど、吉岡秀隆のテンションがおかしいので、なんだか芝居の見せ場が大げさだし、冗長になる。このあたりの芝居の見せ方の采配がおかしいので山崎貴は軽くみられてしまうのだが。実際、山崎貴の演技指導における参照点はどこにあるのだろうかと疑問に感じる。でも、大ベテランの山田洋次でもたまに非常に退屈な映画を撮ったりするから、相対的にはそんなに酷くはない気もするところだ。
参考
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp
ホントはこれで成功すべきだったのに、何故か事故物件になってしまった。製作過程でなにがあったのか?おまけに掘北は『大奥』(東映じゃなくてTBSの男女逆転のやつ)と掛け持ち撮影だったらしい。
maricozy.hatenablog.jp