舞妓はんの東京の休日!『東京ナイト』

基本情報

東京ナイト ★★★
1967 スコープサイズ 80分 @アマプラ
企画:笹井英男 脚本:才賀明 撮影:小栗準之助 照明:土田守保 美術:深民浩 音楽:川口真 監督:鍛冶昇

感想

■京の舞妓小はな(和泉雅子)は家を継がされるのを嫌って東京へ家出する。でも、それは同じく水商売を嫌って東京へ駆け落ちした姉を探すためでもあった。偶然出会った大学生たち(山内賢以下、ヤング・アンド・フレッシュの面々)にバンドのボーカルに誘われると断りきれず。。。

■日活名物、というか笹井英男プロデューサー名物、エレキ歌謡映画の一作で、前作『二人の銀座』が好評だったらしく、こんどはカラー映画に格上げされた。といっても、至って気楽な感じの小品で、当時売れっ子の落語家や漫才師を無理やりゲストに導入して、当時流行のお笑い要素も抜かりがない。でもドラマ的には前作『二人の銀座』の方が優れていたなあ。人探しのサスペンスと秘められたメロドラマのバランスと、楽曲シーンの音楽的楽しさが実にうまく塩梅されていた。

■京の水商売を嫌って出奔したはずなのに、東京では小料理屋を開いている姉に、和泉雅子が詰め寄るのだが、姉を演じる長内美那子の顔だけが生白いのが気になって仕方ない。このあたりのドラマも軽いし、古臭いので、あまり効果的ではない。『二人の銀座』のようには成功していない。

■いっぽう、ヤング・アンド・フレッシュの楽曲の数々は愉しくて、和泉雅子も非常に可愛く、綺麗に撮れているので、それ以上何も必要ないと言ってしまえば身も蓋もないが、実際そうなのだ。それだけで十分満足です。

■ちなみに、ヤング・アンド・フレッシュのボーカルとして登場するが交通事故で失職する娘が徳永芽里という人で、「あなたのすべてを」というヒット曲があるから本職は歌手でしょうね。でも、この名曲、オリジナルは誰なんでしょうか。尾崎紀世彦も有名だし。徳永芽里、口が妙に大きくて、さばさばした性格の、おもしろい個性なんだけどね。個人的には好きなタイプです!


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