進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド
2015 スコープサイズ 87分
DVD
原作■諫山創 脚本■渡辺雄介、町山智浩
撮影■江原祥二 美術■清水剛
照明■杉本崇 音楽■鷺巣詩郎
VFXスーパーバイザー■佐藤敦紀、ツジノミナミ 特殊造形プロデューサー■西村喜廣
特撮監督■尾上克郎 監督■樋口真嗣
■前編は映画館で観てさすがに腹が立ったのだが、今更ながら後編を見てみたよ。長谷川博己の怪演は『シン・ゴジラ』の真面目演技より色気があって好きなのだが、とにかく脚本がダメなので、終盤はグダグダ。ダメな大作映画の典型。死んだはずの人間がホイホイと簡単に再登場する信じがたい安易な展開に顎が外れる。
■特撮的にもどうも面白みがなく、アクション映画としての筋が一本通っていないことが最大の欠点なのは明白。何故か樋口真嗣はアクション映画で失敗する珍しい人なのだ。だいたい汚いデザインと造詣の巨人たちが殴り合ってもだれが面白いのか。汚い顔の巨人がアップでウォーって叫んでも音響効果的に怪獣の咆哮に匹敵するアレンジがないので、何のイメージも喚起しない。というか絶望的に貧相な映像だ。やたらとグチャグチャと汁気が飛ぶのだが、あれは何?しかも、身体から煙が出ていて、それも何?手数が多くて技術的に凝っているのは確かだが、それが映画的な面白さから全く乖離している。
■最期に登場する超大型巨人も技術的には相当凝ったものだが、動きも不自由でキャメラは派手に動き回るものの、映画が駆動しない。アクションが輝かない。たぶん、特撮メイキングを観ると面白いはずなんだけど、映画としては完璧な失敗作ですね。単純にアクション映画としての筋を一本通しておけば、まだ救いようもあったのに。もっとシンプルに考えた方がいいのに。
■もともと中島哲也の企画が頓挫したものを東宝からなんとかしてくれと懇願された結果であって、様々な大人の事情がこうした悲劇を生んだものだろうが、無常感しか残らないなあ。でも、この興行的成功が『シン・ゴジラ』の配役の核を作ったわけで、本作の自爆はあながち無駄ではなかったのだ。
参考
ホントに酷いので、びっくりしますよ!
maricozy.hatenablog.jp
maricozy.hatenablog.jp