IRONMAN 2
2010 スコープサイズ 124分
DVD
■まあ、この手の映画についつい出かけてしまうのが馬鹿なんですが、期待以上のものは全く無いだけでなく、前作でも不満があった、クライマックスをILMのCG班に丸投げ、しかもナイトシーンという、ダメな部分をそのまま踏襲した困った映画。モナコのカーレースをミッキー・ロークが襲撃する場面は、逃げも隠れもできないデイシーンで、しかもアイアンマンはCGだが、対するミッキー・ロークは一応本人が演じているので、本作最大の秀逸な見せ場となったのだが、クライマックスがCGアニメのアクションというのは、ダメなハリウッド映画の見本といえる。
■ドラマ的にもう少しアクション映画らしいエモーションとカタルシスを味わわせてくれれば一応満足するのだが、脚本もダメですね。面白そうな小ネタは数々ばら撒かれているものの、お話の芯が弱い。というか単純すぎ。悪役のサム・ロックウェルも全く生きていない。スカーレット・ヨハンソンもアクション場面は吹替えが分かり易い単純な編集で、みえを切るカットだけが浮いている。撮り方としてはかなり下手。というか、かなり恥ずかしい。
■映画の魅力の大半は戦う軍需企業の社長という奇抜なキャラクターが担い、ロバート・ダウニーJRがほんとにカッコいい。そのカッコ良さはヒーローにふさわしいのだが、肝心のアイアンマンのアクションにそれに拮抗する工夫が見られないのだ。単純に言えば、アクション監督に横山誠でも呼んで、クライマックスのアクションをスーツアクターに演じさせるのが正解なのだが、ハリウッド映画の弱体化はどこまで進むのだろうか。心底心配になるぞ。