Deepwater Horizon
2016 スコープサイズ 107分
DVD
■ピーター・バーグ監督によるメキシコ湾原油流出事故を描いた実録映画。なんだけど、非常にドラマが薄い実録映画で、事故をめぐる人間関係を描いたドラマではなく災害イベント映画といった作りになっている。正直ドラマとしては『バトルシップ』の方が面白いよね。
■事故が発生するまでの油臭い男たちのぶつかり合いは非常に見ごたえがあり、配役の豪華さもあってグイグイ見せるが、事故が起こってしまえば、あとはいかに脱出するかというアドベンチャー映画になってしまう。実質95分くらいの映画なので、それは狙い通りだろうが、ちょっと残念。
■とうぜんながら大災害の情景はほとんどがILMによるCGで、分かってはいても物凄い迫力で圧倒的。炎の造形はリアルそのもので、実写にしか見えない。ILMのCGはキャラクターを描くと演技がオーバーアクトでいかにもアニメ的な動きになってしまうのだが、こうした素材ではまったく見事なクオリティを見せてくれる。圧巻。
■カート・ラッセルの見せ場が多いのも楽しいし、何年振りかで観たマルコビッチがだいぶん痩せているのが気になるが、ネチコイ芝居がたっぷり堪能できて、こちらも幸せ。