■作:秋元松代 演出:蜷川幸雄 音楽:猪俣公章 劇中歌:美空ひばり 衣裳:辻村寿三郎 美術:朝倉摂 照明:吉井澄雄 劇場:Bunkamuraシアターコクーン(2016) @ NHK-BSプレミアム「プレミアムステージ」
■出演:市川猿之助、宮沢りえ、高橋一生、鈴木杏、市川猿弥、新橋耐子、段田安則
■昔の舞台の再演で割と評判がいいらしいのだが、一体どこが良いのか理解に苦しむ。筋立てそのものにも無理やり感があるし、お話の構築も骨組みだけしか見えず、基本的に段田安則のドラマであるはずなのに、中心としてしっかり描かれていないから、どこにドラマの芯があるのか掴みにくい。
■葛の葉伝説とゴゼと流浪の念仏信徒(障碍者やらい者たち)といったマイノリティを扱う劇になっているのだが、そのことが十分に追及されていないので、ただの道具立てにしか見えない。ドラマ的に昇華されていない。段田安則の演技もいいと思わないなあ。この人、むしろ映画やテレビのほうが癖のある味が出ているような気がするなあ。
■これねえ、きっと宝塚歌劇で再構築するといい作品になると思うよ。宝塚歌劇はマイノリティ劇には定評があるからね。段田安則の役どころも宝塚ならぴったりの位置にハマるはずだ。