怪獣映画=戦争映画だ!『クローバー・フィールド』 ★★★★

Cloverfield
2008 ヴィスタサイズ 85分
BD

クローバーフィールド/HAKAISHA スペシャル・コレクターズ・エディション [Blu-ray]
■これは何度観ても傑作。立派な怪獣映画。大きな、理不尽な災厄として立ち現われる巨大怪獣に翻弄される一般市民の姿をリアルに描くことが眼目で、物凄く高いレベルでその狙いを達成してしまった孤高の映画。今観ても全く古くない。

平成ガメラはリアルシミュレーションという手法で怪獣映画を刷新したが、そうしたSF的な手法ではなく、全く新しい視点と手法で怪獣映画を刷新したのが本作。怪獣そのものを描いた映画ではないという意味での喰い足りなさは残るものの、怪獣なる存在の寓意性を端的に表現しつくしただけで満点以上の成果。スピルバーグの傑作『宇宙戦争』も意識されているが、アレは天才の仕事なので、本作はそこを機転で突き抜けてみせる。

■怪獣映画=戦争映画ということを綺麗に示して見せたのも、『ゴジラ』のオマージュとしては上出来すぎる。

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