ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー ★★★☆

Guardians of the Galaxy
2014 スコープサイズ 122分
シネマサンシャイン大和郡山IMAX 3D)

■今まで敬遠してきた3D映画に対する偏見が一気に吹き飛んだ快作。わざわざ大和郡山まで一日がかりで観に出かけたかいがあるというものだ。IMAXというと、以前天保山にあったサントリーミュージアムで見た事があり、とにかくスクリーンの巨大さに圧倒されたものだが、大和郡山のIMAXはスクリーンの大きさ、形状ではサントリーミュージアムにはかなわない。特別な巨大スクリーンという印象ではなく、昔の大き目の映画館の大スクリーンといった印象。

■だが、さすがに音響とデジタル上映の鮮明さは立派なもので、3D上映と言ってもなかなか綺麗に立体には見えなかった私の粗末な眼球でも、今回はきちんと立体に見えたし、眼と脳が慣れてくると立体効果がより観やすくなってくることが分かった。結局、人間は脳で見ているわけだから、脳が慣れることが重要なようだ。

■しかも、今回はっきりしたのは、単にスペクタクルな臨場感が増すだけでなく、照明を絞った暗い場面、2D上映では下手をすると黒く潰れてしまいかねない場面がきちんと立体として分離されていたことで、これは映画の表現としてはかなり画期的なことではないかと思っている。この3D化技術を使えば、大映京都の昔の時代劇を立体映画化することもできるはずで、たとえば『大魔神』の立体映画化も十分に可能なのだ。

■さて、宇宙活劇としての映画の面白さは既に折り紙つきだったわけだが、実際、楽しいわあ。クライマックスのCGによる空中戦も立体映像で見ると効果が倍増していて、単純にわくわくするし、アクションの見せ方に小技がきいていて、終盤に痛快さの小爆弾が連鎖爆発するように作劇されているので、もう終盤はニヤニヤしっぱなし。メジャー監督デビュー作の『スリザー』が小品佳作で筋が良いのは知っていたがジェームズ・ガン監督のメジャー志向が素材に上手くはまったようだ。

■とにかく痛快で小気味が良くて爽やかな良作で、正直なところ予告編ではバカにしていたのだが、いやいやわからんものですな。子供だましにしか見えない材料でも脚本と監督がしっかりしていれば、ちゃんとした映画になるという立派な証拠。

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