黄金バット ★★

黄金バット [DVD]
黄金バット
1966 スコープサイズ 73分
DVD
脚本■高久進
撮影■山沢儀一 照明■銀谷謙蔵
美術■江野慎一 音楽■菊池俊輔
特殊撮影■上村貞夫
監督■佐藤肇

■昔から一度見てみたいと思っていた本作、DVDでやっと観ることができた。それだけで、おおかた満足。

■まあ、基本的にモノクロの低予算映画なのだが、監督が佐藤肇だったりする関係で、いびつな面白さが多々見られる。黄金バットが棺から起き上がるだけで、えらい恐怖感を醸成する演出など、その真骨頂。黒沢清の言う”起き上がりこぼしもの”の一典型がここにある。

■宇宙怪人ナゾーのデザインと造形も奇妙奇天烈で、みみずくをデザインしたらしいのだが、フェルト地の着ぐるみは妙にファンシーで、演じるのが関山耕司でなければ、ほとんどゆるキャラだ。特に耳が可愛いよー。

■配下のケロイドを演じるのが沼田曜一で、これは張り切りすぎなのか、やけくそなのか判然としない怪演で、ほとんどコント。いくらなんでも遊びすぎでしょう。

■次に凄いのがナゾータワー。巨大なドリルの先端に、何故かイカの頭が付いた、まさに謎な強烈デザイン。東京のビル街に出現する特撮は低予算ながら、なかなか工夫してスケール感を表現しているから偉い。矢島信男はテレビで忙しかったのか、上村貞夫が特撮担当。光線などのアニメ合成も多用されるのが嬉しい。

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