海底大戦争
1966 スタンダードサイズ 83分
DVD
原案■福島正実 脚本■大津皓一
撮影■下村和夫 照明■森沢淑明
美術■江野慎一 音楽■菊池俊輔
特撮■矢島信男、山田孝、武庫透
監督■佐藤肇
■残念ながら脚本と外国人素人俳優がグダグダで、非常に残念な結果になったSF映画だが、クライマックスのアクションは「キーハンター」みたいで、それなりに見せるから、さすがは(?)東映映画。ラム・フィルムとの合作のはずだが、クレジットには何も表記されない。てっきり、モノクロ、ワイドかと思いきや、カラー、スタンダードというところから見ると、アメリカではテレビ放映用だったのかも。しかし、東映にしては珍しくフジカラーではないので、色合いのこってりした味わいのカラー撮影が楽しめる。(まさかアグファ?)
■特撮は矢島組で、矢島割り、矢島爆発が十分堪能できるのだが、武庫透名義で参加した成田亨のメカデザインは、マイティジャックの先取りとなっている。メカデザインはウルトラなのに、構築物が粉々に砕け飛ぶダイナミックな大爆発は東映矢島印というユニークなタッチ。寄り目の半魚人のデザインも成田亨だろうが、造形に問題があるだろう。
■佐藤肇の演出は、海底基地での人体改造の場面を特殊造形とコマ撮り(というよりオーバーラップか)で入念に描くあたりの怪奇趣味がさすがだし、クライマックスのアクション演出のこれでもかの駄目押しもいい感じだ。しかし、脚本がこれでは救われない。