FLATLINERS
1990 スコープサイズ 114分
DVD
■なんで今時分、こんな映画を観ているんだという気がするが、初めて見た。あまり放送もされていないのだろうか。
■無謀な臨死実験を経験した医学生たちが、眠っていた罪の意識に苛まれてゆく様をサスペンスタッチで描いた、ジョエル・シュマッカーの異色作だ。ケレン味のある照明ギミックを多用したヤン・デ・ボンの撮影がかなり秀逸で、なかなかやるじゃないか。
■臨死体験の影響で、隠していた罪の意識が顕在化して幻覚に追い詰められるというアイディアとサスペンスの作り方、エネルギッシュな演出と、なかなか上出来なのだが、医学生たちの青春映画である点がいい味になっている。まさに若気の至りというのめり込み方が、バカバカしくも、痛々しいのだ。お話の決着としては、割と浅いところにまとめ込んだなという印象なので、今ひとつ突き抜けなかったが、まあSF映画でも哲学映画でもなく、青春映画としてみれば、十分にウェルメイドだ。
■ジョエル・シュマッカーとしても全盛期の作品なので、恐怖演出にもところどころ上手いシーンがある。ジュリア・ロバーツの幻影シーンの一部では、黒沢清かという演出もある。