ハングリー・ラビット ★★★

Seeking Justice
2011 スコープサイズ 105分
DVD

ニコラス・ケイジ主演のB級アクション映画。実際、スケール的にはVシネマクラスのこじんまりとしたサスペンス仕立てのアクション映画。でも、中盤までのサスペンス演出はかなり上出来で、ロジャー・ドナルドソン監督を見直しましたよ。妻をレイプされた主人公が謎の私刑集団に付きまとわれて利用され始めるという恐怖を非常に粒立ちのいいエピソードを連打して描く第二幕まではかなりの傑作。殺そうとした男があんなことになってしまい、しかもその正体が...という逆転劇の連鎖はサスペンス映画の極地と言ってもいい出来栄えで、わくわくする。

■ただ、終幕は単調で、死んだ男の身辺を調べると謎があっさりと解明され、最終的には撃ち合いで決着するにしても、もう少し粘りが欲しかった。廃墟と化したショッピング・モールでの銃撃戦というアイディアは良いのに、銃撃戦の見せ方に、もっとサスペンスが欲しかったところだ。ホントに、よく出来たVシネマという感じの小品で、なんだかとても懐かしい感じがする愛すべき一品。


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