グーグーだって猫である ★★★

グーグーだって猫である
2008 ヴィスタサイズ 116分
ユナイテッドシネマ大津(SC7)
原作■大島弓子 脚本■犬童一心
撮影■蔦井孝洋 照明■疋田ヨシタケ
美術■磯田典宏 音楽■細野晴臣
視覚効果■松本肇
監督■犬童一心

■愛猫サバを喪った天才漫画家(小泉今日子)は、あまりの寂しさに子猫を買い求め、グーグーと名づける。年下の恋人(加瀬亮)を得て、漫画の新作を発表するも、病魔に倒れ・・・
■猫と女流漫画家とそのスタッフたちの小さな物語をファンタジックに綴った小品で、いかにも低予算な企画なので、ビデオ撮影となった。フィルムとほとんど見分けが付かない部分も多いが、独特の発色の肉付きの薄さや陰影の表現にどうしてもビデオ撮影の侘しさが付きまとう。特に気をつけて見ているわけではないのだが、やはりフィルムとビデオの違いは感知されてしまう。猫の行動を追ってキャメラが動き回る場面は、もっと小型のデジタルビデオで撮影しているだろう。
■グーグーがタイトルロールだが、実際はその前の猫サバの方が主役に近く、ファンタジックなクライマックスシーンは、動物好きなら必ず泣かされるだろう。
■漫画的な表現を多用しているのだが、犬童一心の演出は垢抜けず、失笑場面も少なくないのは意外だった。もっと器用なのかと思っていたが。
■見所は、小泉今日子の可愛らしさであり、上野樹里の凛々しさであろう。高齢者体験セットを身に纏ったまま猛ダッシュしたり、殺陣を披露したりという、なんでもない場面でも、上野樹里の姿の美しさが際立ち、楽しみにしている綾瀬はるかの「ICHI」は上野樹里でもよかったのではないかと妄想してみたりする。

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