肉体の門 ★★★

肉体の門
1964 スコープサイズ 90分
DVD
原作■田村泰次郎 脚本■棚田吾郎
撮影■峰重義 照明■河野愛三
美術■木村威雄 音楽■山本直純
監督■鈴木清順

■公開当時、東宝と競作になり、東宝版の『女体』は砧撮影所で撮影用に連れてきた牛を屠ったため、会社上層部の逆鱗に触れ、恩地監督はしばらく干されることになったわけだが、モノクロ映画の東宝に比べてこちらはカラー作品。

鈴木清順監督なので、独特のシュールな映像表現でかわすのかと思いきや、牛くんのリアルな解体シーンが登場するので、吃驚。こちらはカラーなので、内臓どばーの、まことにリアルな記録映像。とはいえ、ちゃんと映画用に撮影されたものなので、撮影場所が日活撮影所内ではなかったということが東宝との違いだろうか。昔の映画では、鳥やネズミなどの小動物は撮影用に普通に殺されていたし、犬や猫などもことによると殺していたものだが、今から考えると隔世の感がある。

■ネガからテレシネした綺麗な画質なのだが、一昔前のテレシネは照明の陰影が消えて、作り物の質感がペラペラに見える難がある。オープンセットなどもベニヤ板で作ったように見えてしまう。フィルムに焼くと、もっと重厚な質感が乗るはずなのだが。

■お話自体は綺麗にまとまった扇情的なメロドラマで、そのままロマンポルノと言っても通用する。実際、後に西村昭五郎監督のロマンポルノ版も製作されている。しかし鈴木清順監督の奇天烈な演出には、開いた口が塞がらない。(良い意味で?)

参考

maricozy.hatenablog.jp
昭和38年くらいから、日活エロ映画路線というものが始まりました。これが後の日活ロマンポルノの呼び水になります。
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