デスノートthe Last name
2006 スコープサイズ 140分
TOHOシネマズ二条(SC10)
原作■大場つぐみ、小畑健 脚本■大石哲也、金子修介
撮影監督■高間賢治 撮影■石山 稔 照明■ 上保正道
美術■及川 一 音楽■川井憲次
VFXプロデューサー■豊嶋勇作
監督■金子修介
前作に比べて今ひとつ楽しくないのは、配役の地味さによるだろう。片瀬那奈は確かに美脚だが、劇的な情念に欠ける。これほどまでにゲーム感覚で構成された日本映画は他に例をみないので、その意味では画期的だが、仕掛け合戦を観たいのか、ドラマを観たいのかによって評価が異なってくるだろう。
ドラマとしては、「クロス・ファイア」同様のテーマを大きく打ち出している点は確かに金子修介らしい正義漢ぶりがうかがえるが、前作では瀬戸朝香と香椎由宇が後半の劇展開を支えていて、主人公の非人間性を際立たせることに成功して、劇的なカタルシスを勝ち取っていたが、今回はそれに匹敵する劇的なカタルシスが見当たらないのだ。
おまけに、大スクリーンで観たせいか、全体に画調が薄暗く、前作のようなメリハリが感じられないのも残念だった。本作は、前作の後、急逝したキャメラマンの高瀬比呂志に捧げられているが、確かに前作の撮影のほうが秀逸だったと思うよ。