ゴジラ・モスラ・キングギドラ 大怪獣総攻撃
2001 スコープサイズ 105分
NHKBS
脚本■長谷川圭一、横谷昌宏、金子修介
撮影■岸本正広 照明■栗木原毅
美術■清水剛 音楽■大谷幸
特殊技術■神谷誠
監督■金子修介
■ゴジラ映画の疑似科学志向に対してオカルティズムとミニタリズムで殴りこんだ大変な異色作であることは確か。でも、宇崎竜童は全く軍人に見えないし、主演の新山千春は例によって上ずった発声で演技に説得力が無いし、まあ非常に苦しい。
■キングギドラは、まるでネズバードンか三首竜にしか見えない(わざと?)し、終盤のゴジラとの対決は撮影時間が無かったとしか思われない技の無さだし、クライマックスの対決は夜の海中という、なんでわざわざ不利な条件ばかり設定するのか理解に苦しむ。
■一方で、合成演出はさすがに松本肇で、非常に丁寧な仕事ぶりで、見ごたえがあるし、金子修介のツボを心得た快テンポの演出は上手いと思う。特に軍事描写の説得力が妙に高いのが見所。演者も南果歩とか村井国夫といった芸達者を脇役に据えて演技的なアンサンブルも見所になっている。特に防衛官僚を演じる村井国夫は絶品のリアリティ。
■でも、ゴジラがあれくらいで倒れるなんて、ありえないよねえ。金子修介は案外怪獣そのものには執着が無いのではないかと思ったよ。