スケルトン・キー ★★★☆

SKELTON KEY
2005 スコープサイズ 104分
DVD 


 アメリカ南部の沼地地帯の古屋敷で、老人介護のバイトを始めたヒロイン(ケイト・ハドソン)は、婦人(ジーナ・ローランズ)にマスターキーを預かるが、屋根裏部屋だけがその鍵では開けることができなかった。不審に思った彼女は屋根裏部屋に潜入することに成功するが、中には呪術に使用するらしい道具類が・・・・ 
 イアン・ソフトリー監督、アーレン・クルーガーの脚本によるオーソドックスな怪奇映画。アーレン・クルーガーは「隣人は静かに微笑む」の傑作脚本を書いた男で、「リング」や「リング2」等ですっかり幻滅させられたところだが、久々に会心作を書き上げた。日本ではなぜか劇場公開されなかったのだが、これは是非劇場で観たい映画だ。ダニエル・ミンデルの被写界深度を浅くとって、バックのボケ味を生かし、アメリカ南部の独特の湿気た空気感とヒロインの周囲から浮き上がった立場を美的に構成したキャメラワークは、DVDで観る限り、絶妙なのだ。
 開かずの屋根裏部屋の秘密を明かすまでが30分くらいで、展開も早く、派手な見せ場を持たないが、正統派のサスペンスでジワジワ引っ張る演出が心地よい。
 ブードゥとフードゥの違いということが本作のポイントで、DVDには特典映像で簡潔に説明もされているので、これは必見。ブードゥはれっきとした宗教なのだそうです。字幕でフードゥという表記が出ると、単純に間違いかと思って観てしまうので、要注意。
 前半はもっと原理主義的な恐怖映画かと思わせるが、呪術の介在が明らかになる後半から”奇妙な味”の短編に似てきて、最終的に、ロバート・ブロックやリチャード・マシスンなどの短編小説に似たよくできたオチが用意されている。今時この手の路線で綺麗にオチを決めるのは、なかなか至難なのだが、イアン・ソフトリーの奇をてらわない演出が佳作脚本をよく生かしている。