ジャイアンツ ★★★★

GIANT
1956 ヴィスタサイズ 201分
NHK BS2録画

■テキサスの大牧場主ビック・ベネディクト(ロック・ハドソン)のもとへ嫁いだ東部育ちの娘レズリー(エリザベス・テイラー)は、テキサス独特の風習や気風に戸惑いながらも、気丈に振舞うが、彼女の出現で夫の姉は落馬死し、牧童のジェット(ジェームズ・ディーン)は小さな土地を譲り受けて独立してゆく。レズリーを密かに慕いながら石油を掘り当てたジェットは一躍石油王にのし上がり、旧世代のビックたちは苦々しい思いだったが、既にベネディクト家の世代交代も確実に進行していた・・・
■昔はよくテレビで前後編に分けて放映されていたが、最近見かけない超大作。正直、初めて見たのだが、予想以上に骨太な傑作。テキサスの大牧場を主な舞台に、ベネディクト家の年代記を描き、アメリカの典型的な世界観、人生観、価値観などを浮き彫りにしてみせるよくできた脚本だ。しかも、ジョージ・スティーヴンスの演出はゆったりとしたリズムで、しかし大胆な省略をきかせながら淀みが無く、メリハリも見事に利いている。3時間以上の超大作映画としては、完璧に近い出来栄えだ。
■ベネディクト家の人々と対比されるのが新興成金のジェットの勃興と没落の様子だが、ジェームズ・ディーンの演技は確実にハリウッドの古典的映画演技とは一線を画した手法によるもので、日本で言えば、萩原健一松田優作といった世代の崩した演技に通底している気がする。しかし、こうした演技の質は、何故か映画界では長続きせず、役者自体が短命に終わってしまう運命のようで、最近ではヒース・レジャーなどが同じ運命を背負い込んでしまったようだ。
■「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」は、実質的に本作の姉妹編だっとということがわかったことも収穫だったし、「オーストラリア」も本作を下敷きにしている。メキシコ人への差別という主題は「オーストラリア」ではアボリジニへの差別政策に置き換えられているのだ。本作のラスト近くのハンバーガー店での乱闘場面はテキサス人気質の頑迷さのなかに新しい芽が芽生えたことを力強く描き出して、感動的だ。
■ただ、今回の放送原版は何故か画質が悪く、先日の「ファニー・ガール」の異様なレストアと比べると、解像度も色彩もガタガタだ。DVDの画質はどんなもんだろうか。

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