(13 GHOSTS)
1961/VV
(2005/1/22 レンタルDVD)
感想(旧HPより転載)
ある日弁護士から連絡があり、亡くなった親戚から屋敷を相続することになった主人公一家だが、その屋敷には12体の幽霊が棲みついているという曰くつきの物件だった。前の住人は幽霊を観ることが出来る眼鏡を開発し、霊媒を使って幽霊との会話を成功させ、遂には幽霊の制御を実現しようとした矢先に謎の死を遂げたのだった。夜な夜な怪現象に悩まされる一家だが、屋敷には莫大な現金が隠されているらしく・・・
「13ゴースト」としてリメイクされたウィリアム・キャッスルの代表作の1本だが、これに限ってはリメイク作に軍配が上がる怪作である。特殊なめがね(といっても色つきのセルロイド)を装着すると幽霊が見えるという単純なギミックで評判を呼んだ作品だが、ロブ・ホワイトの脚本に大穴が多く、肝心の幽霊の表現が杜撰、というかもともと恐怖感を狙った演出とも思われず、このあたりにウィリスム・キャッスルの志向をうかがうことが出来る。
チープな道具立てを一級の怪奇映画に変貌させてしまうビンセント・プライスのようなスターを欠くことも弱点となり、怪奇映画というよりも単純にギミックを楽しむだけの珍作となっている。幽霊を観ることができる眼鏡や幽霊を制御するというアイディア自体はユニークは着想だが、このアイディアもリメイク作のほうがうまく消化できているだろう。