『プロフェシー』

プロフェシー
(THE MOTHMAN PROPHECIES)
2002/CS
(2003/9/28 レンタルDVD)

感想(旧HPより転載)

 若妻を交通事故で亡くした新聞記者は、何者かに導かれるようにとある地方都市を訪れるが、そこでは最近多数の住民が異常な気配に脅かされていた。そこで知合った男は何者かに予言を告げられたと話すが、実際に航空機事故が発生し、多数の死者が出る。予知能力に関する本の著者を訪ねた主人公は、モスマン(蛾男)と呼ばれる不思議な存在が古くから信仰されていたことを知らされ、戻れば死が待っていると告げられるのだが・・・

 問題作「隣人は静かに笑う」マーク・ペリントンによるホラー、というより超常現象を扱ったサスペンスで、しかも原作はノンフィクションというのが胡散臭いところだが、映画の出来自体はかなり良好で、「隣人~」で見せた気配の演出が伊達でないことを再認識させてくれる。

 オープニングからしつこいほどに光や”Y”の文字、シンメトリーの構図等の映像的モチーフを打ち出してゆく演出や、いかにもデジタル編集的な細切れカットが散見されるのは、くどい印象を与えてしまうのだが、モスマンというかなりきわどいキャラクター(?)を扱いながら、リチャード・ギアの存在を誘引として、非日常の支配する異世界へ観客を徐々に導いてゆく脚本と演出の腕はかなり秀逸。

 久しぶりに地に足の着いたサスペンスを見たという満足感と、モスマンと呼ばれる超常的な存在の気配の不気味さを堪能させてくれる演出力は、マーク・ペリントンという監督のこちら(って、どこ?)寄りの資質をうかがわせて、早く純粋ホラー映画の世界に足を踏み入れてくれることを切望するものである。

 ただ、不満を言えばクライマックスがスペクタクルに転化してしまうのが不徹底に思われることで、せっかっく積み上げてきた間接描写の不気味さが物理的なカタルシスとして霧散してしまうのは勿体無いことに思われるからだ。

 しかし、ノンフィクションと言い張る原作もいちど読んでみたいものだな。

 ちなみに、DVDはピカピカの高画質で、監督のコメンタリーも聞き応えがある。

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