髙石あかり好演!話題にならないのが不思議な秀作『新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる!』

基本情報

新米記者トロッ子 私がやらねば誰がやる! ★★★☆
2024 ヴィスタサイズ 98分 @DVD
企画:直井卓俊 原案:宮川彰太郎 脚本:大野大輔 撮影:野村昌平 照明:野村昌平 美術:竹渕絢子 音楽:クレナズム 監督:小林啓一

感想

■私立高校の謎の学生作家に憧れて文芸部に入ろうとしたけど果たせず、逆に部長(久間田琳加)から新聞部へスパイとして潜入することを命じられた主人公(藤吉夏鈴)は、新聞部の部長(髙石あかり)に感化されて記者魂に目覚めていくと、その先に学園の意外な真実がみえてくる。。。

■冷静によく考えるといろいろと強引な筋立てなんだけど、意外にもウェルメイドをちょっと超える出来栄えの、なかなかの秀作。いかにもアメリカ映画にありそうな素材と筋立てだけど、日本映画では珍しいのではないか。封切り時に気になっていたけど、まったく話題にもならずに終わった映画で、なぜか東映ビデオの製作。制作はレオーネ。

■文芸部部長の秘密を暴くまでが前半、後半はその奥に潜む理事長の不正追求にシフトする構成で、かなりよくできた脚本。正味90分程度でこれだけ描ければ何も文句はない。主人公は藤吉夏鈴なんだけど、狂言回しの色彩が強くて、ホントはもっと存在感を発散しないといけないのだけど、ちょっと弱い。素材として悪くない気はするけど、もう一押し演出の善導が必要だと感じる。

■一方で、どうしても実質的な中心となるのが新聞部部長の髙石あかりで、この役がお話の芯になるので、ある意味ベテランとして配役されたわけ。高校生役にね。ここに扇の要としての力感がないと成立しないお話だからね。当然ながら期待に答えて好演する。今の朝ドラ『ばけばけ』はテレビドラマ的な小芝居が多いけど、本作は映画仕様で、小芝居は避けている。それで良いと思う。

■対するもう一方の芯になるのが変態紳士こと高嶋政宏なので、観ていてヒヤヒヤしますよ。いつ変態の本性を出すのか?ちょっと出ますけど、控えめですよ。でも、ちょっと前なら中尾彬みたいな変質的な演技を披露して、脂ぎった悪役を好演する。かなりステロタイプな演じっぷりなのは、製作母体が東映ビデオだから?でも、悪くないと思う。安っぽいやり過ぎ感とか含めて、まさに東映風味じゃないか。東宝出身のプリンスなのに!

■ホントに期待通りによくできているので、もっと注目されてしかるべきと思うのだけど、なんで忘れ去られているのだろう?


参考

高嶋政宏は、変態紳士としての危うさをうまく武器にしましたね。『ガンヘッド』なのに!
maricozy.hatenablog.jp

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