ジェリー・アンダーソンの「スティングレイ(海底大戦争スティングレイ)」の特撮はファンシーでキュート!

【最終更新 2023/6/15】
■日本では1964年に「海底大戦争スティングレイ」として放映されていたジェリー・アンダーソン製作の「Stingray」ですが、公式サイトで第1話が観られます。昔観たのは再放送で、もちろんトニー谷のナレーション付きのもの。あれはあれで声優陣が豪華だから貴重だよね。ギャグ多めだし。でもオリジナル版は初めて観ました。いま観ると、映っているものの全てが物理的な作り物という贅沢感が堪りませんね。


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■「サンダーバード」の前の作品で初のカラー撮影。でもまだ後のリアル路線ではなくて、世界観はあくまで人形劇寄り。もちろん特撮シーンは豊富だし、撮っているスタッフは同じだけど、ミニチュアのデザインや造形が明らかにリアリズムではなくて、おもちゃテイストを残している。車両のミニチュアなんて、デザインも造形も丸っこくて、エッジが立っていない。それは敢えてそうしているようだ。でもこれが今観ると実に尊いテイストになっているから不思議だ。

■ミニチュアセットも非常にこじんまりとしていて、ファンシーだ。特に海底シーンは小さなおさかなが泳ぎまわって、爆発シーンではリアルにびっくりして反応しているあたり、ほのぼのするなあ。ネッシーが登場する話もあるけど、そのデザインと造形が完全におもちゃ感覚なので、狙いははっきりしているわけだ。

■今回、オリジナル版を観て驚いたのは、エンディングが海底族で言葉を話さないマリーナ(なぜか子供心に印象に残るキャラ。顔が濃いから?)に捧げた歌「アクアマリーナ」になっていることで、しかもこれが衝撃的な傑作。こんな多量の幸福感を含んだラブソングは、この時代ならではのことだろう。しかもゴージャスで、リッチ。オープニングも、日本版のアニメソング的なテーマソングとは異なり、単に”スティングレー”の繰り返しだけど、バリー・グレイのイケイケの楽曲が最高にカッコいい。


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■バリー・グレイの燃える楽曲に合わせてマリンビル基地が街ごと臨戦態勢で地中に次々と収納されてゆく豪快なミニチュアワークは今観ても圧巻で、露骨に庵野秀明エヴァで翻案してますね。描写の手数としてはエヴァのほうが勝っている気もするけど、重量感と質感は当然ミニチュアワークが凌駕するし、なにしろバリー・グレイの稀有の楽曲込みでは、圧倒的な燃え燃えシーンです。このシーンだけエンドレスで観ながら酒飲みたいです。

■まだ第3話くらいまでしか観てないけど、毎日就寝前の精神安定剤として消化していこうかなあ。youtubeでほぼ全部観られそうだしな。

■なお、われわれに馴染み深い日本版の主題歌は以下でどうぞ。これはこれで良いもんです。でも、燃えるのはやはりオリジナル楽曲!


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