昭和元禄、怪談三昧!ザ・ガードマンの世界

■実に1965年から大映が倒産する1971年までTBS系列で放送された伝説の人気番組、「ザ・ガードマン」。しかしその実態を知るものは少ない。全エピソードガイド的な書物があって良さそうなものなのに、なぜか存在せず、全貌が掴み切れないシリーズなのだ。
■当時の大映東京のホープ増村保造が実質的に監修的な立場で関与したところから、初期のドラマは大映の『黒の』シリーズを踏襲したサラリーマン犯罪ものであったが、その後時代を経るにつれ、なぜか怪談ドラマが製作され、しかも夏場の納涼企画にとどまらず、シリーズ末期にはほぼオールシーズンにわたって怪談ドラマが放送されるという異様な事態に。「ザ・ガードマン」といえば、怪談ドラマの怖さが尋常でなかったというボンヤリしたイメージが流布しているのも、無理はない。なにしろ年中放映していたわけだからね。
■その怪談ドラマのなかでも特に出来の良いものは独立した記事を掲載しているわけだが、正直それほどでもないエピソードも少なくないので、ここではそうした中途半端な怪談エピソードを集約して記録に残しておきたい。

1967年:第124話『ざくろ沼の恐怖』

■脚本:安藤日出男、監督:中西忠三
■平家の落ち武者伝説が残る秘境ざくろ沼のほとりの古い洋館に起こる幽霊話が遺産相続をめぐる犯罪ドラマとして収拾されるお馴染みの怪奇犯罪ドラマ。車椅子の田坂都が女の幽霊にいたぶられるわけだが、安藤日出男の脚本はミステリ要素を求めるあまり、発想の飛躍にかける。いかにも凡作といった出来栄えで、しかし当時の怪奇犯罪ドラマとしては水準作でしょう。
■横森久、渡辺文雄、山下洵一郎、近石信介といった面々がゲスト。

1970年:第273話『怪談ミイラ墓の幽霊』

■脚本:安藤日出男、監督:崎山周
■孤島に結核の娘の看病に雇われてきた看護婦が、島で幽霊事件に遭遇し、逃げ出そうとするが失敗し、彼女が高給で雇われた真の理由を知ることになる...というお話。
■なんといっても本作のみどころは主演の松本めぐみで、この後加山雄三と結婚して引退するんだけど、70年代ファッションが似合ってスレンダーでキレイなので観ていて退屈はしませんね。
■ただ、ほぼ横溝正史風の田舎因習ミステリで、謎解きがいかにも苦しい、というか強引すぎる
ので、当然狂言である女幽霊の存在感も寂しい限り。安藤日出男という人は山浦弘靖のような怪奇ロマン派ではなく、完全にミステリ志向の人なんだなあ。そのおかげで恐怖描写も冴えない凡作となりましたが、北原義郎と角梨枝子が本家として孤島を支配し、そのドラ息子が蟹江敬三で、松本めぐみ俺の嫁になれ!と迫るあたりは配役の妙でそれなりに楽しいですね。北原義郎の演技的には見どころが多く、強烈な傲慢さを発揮しているので、おっさんずラブな北原義郎ファンは必見。