ザ・ガードマン「怪談・雨の幽霊病院」「怪談・幽霊に喰い殺された家族」

■「怪談・雨の幽霊病院」は1970年の作品で、ザ・ガードマンの第271話。脚本が山浦弘靖、監督が宮下泰彦というイケイケの名コンビによる問題作。精神病院を舞台に経営を乗っ取るため院長を薬で狂わせ、娘に幽霊を見せて発狂させようと企む精神科医たちの悪の乱舞を、かなりえげつない精神的な残酷描写と秀逸な幽霊描写で描く、力作にして意欲作。

西沢利明と渥美国泰が悪い医師で、院長の娘をきちがいに仕立てようとしながらも対立して殺し合う羽目に。院長の娘が姿美千子で、時代劇の娘役とは違って、ショートヘアがキュートで活発な役柄で生き生きしている。電気ショックで死んだ女患者の亡霊に苦しめられて半狂乱に、という被虐的な役が華奢な姿にピッタリはまって、まさに水を得た魚。れっきとしたホラーヒロインなのだ。

■一方、幽閉された院長の浜村純は始めから最後までずっと狂いっぱなしで、全く救いがなく、世界への呪詛の言葉を吐き続け、作品の基調に異様なムードを塗り込める。脚本の山浦弘靖は、怪奇大作戦で「狂鬼人間」を書いたあの人です。相当褪色の激しいカラーフィルムなので、今日見るとその荒みぶりも含めて、異様に病んだムードが凄みを帯びている。撮影:山崎忠、美術:井上章、照明:高山清治。

■「怪談・幽霊に〜」は、累が淵の怪談をそのまま焼き直したもの。内田朝雄の身体を張った熱演には頭が下がるし、戸浦六宏とか田村奈巳の贅沢な使い方にもうっとりするが、まあ凡作。

参考






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