噂通りの快作?否、怪作『バニー・レークは行方不明』

基本情報

Bunny Lake Is Missing ★★★
1965 スコープサイズ 107分 @APV

感想

■イギリスに引っ越してきた女の娘バニー・レークが幼稚園で行方を消すが、誰も見たものがないという。女の兄が精力的に探索するが、娘の実在に疑惑の目が向けられる。娘は女の妄想だったのか?

■という実に魅力的なプロットを持った映画で、所謂ニューロティックサスペンスにも分類されるだろう。監督はオットー・プレミンジャーで、幼女行方不明事件の謎を捜査する刑事がローレンス・オリヴィエという豪華な布陣。ヒロインのキャロル・リンレーはちょっとトウが立っているが精神的に危い感じが板についているし、後半の精神病院からの脱出などの逆転劇も非常に痛快で良いのだ。

■しかし、本作の肝はその兄であるケア・デュリアが儲け役でしょう。詳しくは書けないけど、終盤は独り舞台ですよ。ただ、その終盤の展開がかなり微妙なので、傑作にはなり損ねているのが勿体ない。心理的なサスペンスも、後半の逆転劇もうまくいっているのに、クライマックスの作劇と演出が腰砕けに終わっている。確かに、演出的に難しいシチュエーションではあるが、オットー・プレミンジャーは真面目過ぎたかもしれない。

■なんとアマゾン・プライムビデオに入っていたので、念願かなって観ることができたのでした。でも、クライマックスの辺りは、原作小説で読む方がすんなり腑に落ちるかもしれないなあ。

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