ウルフマン  ★★★

THE WOLFMAN
2010 ヴィスタサイズ 102分
TOHOシネマズ二条(PS)

■兄を何ものかに殺され、タルボット城に呼び戻された舞台俳優の弟(ベニチオ・デル・トロ)は、兄の死の真相を知ろうとするが、ジプシーの集落で怪物に襲われてしまう。九死に一生を得た彼の姿を物陰から覗う父親(アンソニー・ホプキンス)の真意は・・・

■物語としては説明不足のところが多々あり、筋にもひねりが足りないのだが、監督がジョー・ジョンストンなので、痒いところに手が届く演出で、怪奇映画や怪物映画好きを唸らせる映像表現には事欠かない。

■ジプシー集落での大殺戮の演出も怪物の姿をはっきり見せない定番演出がキビキビと展開されて痛快だし、ロンドンの夜の街で大暴れする人狼のシーンなど、ライブアクションの部分とCGのバランスも絶妙で、溜飲の下がる演出だ。最後は皆さんお待ちかねの狼男同士の肉弾戦を、まるで「サンダ対ガイラ」のように盛り上げてみせる。

■ネタを割ってしまうとよくないのだが、中盤ベニチオ・デル・トロが怪物に噛まれてからの動機が不明確になってしまうし、アンソニー・ホプキンスの目的も彫り方が浅いので終盤のドラマ的な高揚感には乏しい。それでも、ダニー・エルフマンの音楽とシェリー・ジョンソンの怪奇映画ムードたっぷりの陰影と様式性を充分に発揮した撮影だけで、怪物映画の愉楽を堪能させてくれるので、文句は言えない。

© 1998-2023 まり☆こうじ