前田敦子の演技者ポテンシャルに圧倒される『学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで』

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基本情報

学校へ行けなかった私が「あの花」「ここさけ」を書くまで 2018
原作&脚本:岡田麿里、音楽:橋本由香利、演出:藤並英樹
出演:前田敦子富田靖子大東駿介本田博太郎、浜野謙太、温水洋一野間口徹田中要次

感想

■アニメ脚本家の岡田麿里の登校拒否&引きこもり状態から上京してコンピュータゲームの専門学校でゲームシナリオを学んだあとアニメ脚本家になるまでを描いた自伝小説を自ら脚本化したドラマ。「外の世界」に憧れながら引きこもっていた少女時代から、ちょっと大人になって、実は「外の世界」なんてどこにも無かったんだと気付くことで殻を破るまでが描かれる。
■なんといっても、主演の前田敦子の役者としての素性の良さがよくわかるドラマになっていて、お話うんぬんよりも女優、前田敦子の女優力に圧倒される。前田敦子の出演作はあまり見ていないのだが、このドラマを見れば、気鋭の演出家から引く手あまたなのは十分に納得できる。なんというか、理知的に組み上げた楷書の演技ではなく、役柄を噛み砕いて身体から自然と沁みだすニュアンスに語らせるというタイプの役者らしい。その演技の自然さには天性の素質を、確かに感じる。『散歩する侵略者』でも天性の演技者体質は感じ取れたが、主演のこちらの方が当然ながら彼女の資質が生きる。ついでに、浜野謙太の超テキトー(いや有能!)な編集者ぶりも凄いよ。
■一方、久しぶりに見た、われらが博太郎先生が元気そうなのは慶賀の至り。とはいっても、老いて死んでゆくおじいさんの役ですよ。それにしては全然元気そうなんですけどね。全く死ぬようには見えない。いやもう、博太郎ワールド全開で、ありがたい、ありがたい。