The Gift
2015 スコープサイズ 108分
DVD
■ブラムハウス製作の低予算スリラーで、オカルト的な超常現象は起こらないまっとうなサスペンス。低予算ながら、例によって舞台になる家の作りに関しては凝っていて、脚本と出演も兼ねるジョエル・エドガートンの静かな演出とともに、いわゆる昔の低予算スリラーらしい貧乏くささは皆無だし、演出のレベルが妙に高い。
■なんとジェームズ・ワンも資本参加しており、ブラムハウス一家とジェームズ・ワン組がタッグを組んだ意欲作でもある。夫の故郷に帰ってきたら、夫の昔の友人が贈り物を送りつけてきて最初は喜んでいたものの、気持ち悪くなって断ったところ・・・という日常的にあるかもしれない普段着のサスペンスが的確に紡がれてゆく。徐々に夫の隠していた過去の事件が浮かび上がって、夫への疑念が増してゆくという王道のサスペンス映画だ。
■結局は韓国映画にありそうな復讐劇になってしまうので、その点は惜しいと思うが、よくできたサスペンス映画の小品。ブラムハウス製作らしくちゃんとショッカー演出も用意されているし、グロも無いから安心して楽しめる逸品。ブラムハウス製作の低予算スリラーとか低予算ホラーって、要素を詰め込み過ぎないのが美点で、昔ながらの素材を使いながら限りなくシンプルな物語に仕立てて、低予算ながら案外丁寧に撮るという、非常に良心的な映画作りがなされているようだ。