アナザーフェイス 刑事総務課・大友鉄2 ★★☆

■原作物なので、お話の薄さは原作由来なのだろう。内片輝の演出は丁寧で、映画的なルックで落ち着いて観ていられるのだが、肝心のお話が薄いなあ。東映京都の木曜ミステリーの方が捻りがきいている。ハードボイルドではなくソフトボイルドを狙っているようだが、原作をもっとアレンジしてもいいのではないだろうか。正直、それほどの原作小説とは思えないぞ。
ミムラ演じる弁護士の行動の理屈、狙いが結局よくわからないし、真犯人の行動もあまりに乱暴で雑すぎる。ミステリーではないし、大してサスペンスでもないし、人情物でもないという中途半端感が勿体無い。せっかく贅沢な配役で、演出や映像設計も上質なのに、足りないのは、やっぱり脚本だな。仲村トオルの設定として「人たらし」というのがあるのだが、まったくそんな風には描かれていない。このあたりは脚本の工夫が足りないと思うがなあ。

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