「ブルータスの心臓」

■脚本・ひかわかよ、演出・入江悠だが、そもそもこのお話、どこが面白いのか?一応ミステリーなのだが、主人公をはじめ感情移入できる登場人物がいないし、サスペンスも無い。犯人も動機も、何も心に響かない。原作は一応面白いのだろうか?明らかに若者向けのドラマで、説得力や実在感のある人物が一人も出てこない。
■なんだか主演が藤原竜也という時点で胸やけが起こりそうなのだが、内山理名は性悪女にはぴったりの配役で、これは気持ちいい。藤原竜也の最期は少々ファンタスティックで悪くないのだが、ドラマ的な意味づけをどう読めばいいのか判然としない。これがちゃんと腑に落ちるような脚本であれば、ミステリーにおけるロボットという珍しいモチーフがもっと生きただろうに。工作機械でギューといえば、「蝿男の恐怖」でしょうに。

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