■トム・ホランドの往年の佳作「フライトナイト」をリメイクした本作、かなり改変しており、3D対応ということもあり、完全にアトラクション映画路線である。怪奇映画というよりも青春映画として再構築されていて、青春映画としては面白い点もあるのだが、コリン・ファレルが隣の吸血鬼を演じた怪奇映画部分はサスペンスも怪奇映画的叙情も乏しい。
■とにかく、いきなり襲撃シーンから始まり、すでに隣に吸血鬼が住んでいるという超スピード展開で、サスペンスはどこに行った?という感じななのだ。しかも、重要な脇役ピーター・ビンセントの造形が今回大きく後退した。オリジナルのクライマックスの感動は、完全に捨てられている。
■一時期、超売れっ子だったコリン・ファレルも、素行の悪さゆえか、近年すっかり顔を見なくなったが、実力はあるのだから、今後また盛り返すことだろう。
■久しぶりにイオンシネマ久御山で見たのだが、スクリーンの暗さには閉口した。もともと暗めだったが、いよいよダメかも。ナイトシーンの多いこの映画は特に致命的。顔の判別がつかないよ。字幕の白味の抜けの悪さを見ても、上映機器の問題と思われる。もっと照度を上げないと、闇が沈まないし、画のコントラストが出ない。これを3Dで観ると、もっと暗いということだろうか。あるいは、2D版は3D版と同じルックになるように、わざとプリントを暗く焼いているのだろうか?