戦争と人間 第二部 愛と悲しみの山河 ★★☆

戦争と人間 第2部 愛と悲しみの山河
1971 スコープサイズ 179分
DVD
原作■五味川純平 脚本■山田信夫、武田敦
撮影■姫田真左久 照明■岩木保夫
美術■横尾嘉良、深民浩 音楽■佐藤勝
特撮■日活特殊技術部 特撮美術■成田亨
監督■山本薩夫

■超大作3部作の2作目だが、どうも第1作に比べると見劣りする。一番の原因はメロドラマ過多だろう。特に佐久間良子北大路欣也東映コンビの大時代な類型的なメロドラマは、正直苦痛で見ていられない。それに比べると、山本圭吉永小百合カップルの方が遥かに心情がこもっているし、朝鮮人として日本人を憎悪する地井武男と木村夏江の死別の描き方のほうに演出上の執念を感じさせる。

■第1作で異常に面白かった芦田伸介のあくの強い存在感を意図的に抑えたと思われる作劇のせいもあるし、中国国内の複雑な政治情勢を説明的に描きすぎてドラマ的に未消化のせいもあり、どうも退屈な3時間映画になってしまった。柘植少佐が731部隊を視察する場面も、凄惨な人体実験がコントに見えてしまうという演出上の粗雑さも問題ありだろう。(続く)

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