HORRIBLE BOSSES
2011 スコープサイズ 98分
T-JOY京都（ＳＣ６）
■上司の横暴に悩む３人の男たちが、交換殺人を計画するが・・・というコメディ。むさくるしいおっさん３人組が主演なので、華が無いし、下ネタ満載なので、下品なことは確かだが、楽しいよ。でも、その楽しさが、楽天的でないところがこの映画の批評性なのだろう。元リーマン・ブラザース社員の境遇などにそれが顕著だ。
■低予算コメディなのに、やたらと豪華な配役なのは、ハリウッドでほかに作っている映画がアメコミやＣＧ映画ばかりなので、ギャラが安くても演技のできる映画に出たいということなのではないか。ケビン・スペイシー、ドナルド・サザーランド、コリン・ファレル、ジェニファー・アニストン、ジェイミー・フォックス等々、凄いね。コリン・ファレルのハゲヅラは、ほとんどコントの悪乗り。
■いったいお話がどこに転がるのか予想しかねる捻った脚本は見所があるし、何よりケビン・スペイシーの演じた煮ても焼いても食えない粘着質の上司が圧倒的に素晴らしく、まさに適役。こんな嫌な人間を演じると、実に巧い。この傲慢不遜なキャラクターのおかげで映画に張りが出た。
■一方、セクハラ歯科医（というか変態歯科医？）を演じるジェニファー・アニストンもやけくそなのか？と思わせる怪演。でも、そんなに色っぽい女優ではないので、もっぱら台詞の効果だろうね。
