ツレがうつになりまして。
2011 ヴィスタサイズ 121分
ユナイテッドシネマ大津(SC2)
原作■細川貂々 脚本■青島武
撮影■浜田毅 照明■守利賢一
音楽■加羽沢美濃 美術■若松孝市
監督■佐々部清
■松竹配給かとおもいきや、堂々たる東映映画である。邦画各社の社風、作風が全く区別がつかなくなってきた。まあ、考え方によっては、実録映画であるから、東映実録路線の一作なのかもしれない。と、やけくそ気味に呟いてみる。
■ただ、原作がライトなエッセイなので、映画の表現もふわふわしている。浜田毅のキャメラもところどころ浮遊し、ほんわかムードを盛り立てる。ほんとうのうつの辛さは、こんなものではなかろうなあ、という印象が終始ぬぐえない。うつがもたらす夫婦の地獄のような危機をもっと見せないと、後半の収束が感動的にならない気がしますよ、やっぱり。若夫婦なのに妙に立派な一軒家に住んでるし、なんだか追い詰められた感じがしないのだ。正直、嫁の出来が悪いのではないかという素朴な感想もありうるだろう。
■監督は佐々部清なので安心して見ていられるのだが、これまでの諸作に比べると、随分甘口な感じだ。”平成の木下恵介”としては、もう少しシビアな表現を期待したかったところだ。「震える舌」のようにとは言わないから。(木下恵介じゃないけど)
■制作はセントラル・アーツ、シネムーブ。