『究極のドラマ 実録ヤクザ映画で学ぶ抗争史』

東映実録ヤクザ映画を見る際の参考資料としてうってつけの本。あの映画は、山口組の関わったあの事件をモデルにしているといった豆知識や、一般の社会人にとっては何の役にも立たない戦後ヤクザ抗争史に少し明るくなれるという便利本。悪魔のキューピーとか、ボンノとか、石川力夫といった伝説のアウトローたちに関する、カタギの人間にとっては知る必要もない壮絶な人生の一端を垣間見ることができる。

■しかし、筆者の心情的には、笠原和夫的な実録映画よりも、俊藤浩滋の任侠イズム、任侠ロマン、任侠美学にシンパシーを感じているらしく、俊藤浩滋というプロデューサーを知る上でも有意義な書籍となっている。

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