００７ ゴールドフィンガー ★★★

GOLDFINGER
1964 ヴィスタサイズ 109分
DVD

■今観ると、びっくりするくらいまったりとしたスパイアクション映画。印象的には、全体の２／３くらいは、アクションらしいアクションもなく、英国流の持って回ったウィットと、脱力寸前のギャグの応酬という気がする。近年のせっかちなハリウッドアクション映画が逆にバカに見える。
■それでも、クライマックスでは御大ゴールドフィンガー自身も戦闘に参加し、プッシー・ガロアの操縦するプライベートジェット内で、ボンドと一騎打ちを見せてくれる。このあたりの畳み掛けるアクションの連鎖と小さなツイストは、やはり楽しい。ラストのお気楽ぶりも、夢のようなのん気さである。いい時代だったねえ。
■やたらとスクリーンプロセスが多用され、俳優が忙しくて遠くのロケに出られなかったという監督の不満が述べられる。時代はもう６０年代半ばなので、このあたりは当時から観客的にも違和感があったのではないだろうか。