インセプション ★★★

INCEPTION
2010 スコープサイズ 148分
ユナイテッドシネマ大津(SC7)

■「マトリックス」とか「ダーク・シティ」とか「ドリーム・スケープ」とか、昔の映画が色々と想い出されるトリッキーなSFサスペンスだが、どうも乗れないなあ。何階層も夢を潜ってゆくクライマックスも、どう考えても冗長で、特に第三階層のアクションなんて、ほんとに見せ場としては蛇足。第二階層は無重力状態でのアクションという秀逸な見せ場があるおかげで持つけれど。

渡辺謙も、重要な役どころとはいえ、中盤以降は寝たきり状態で、それほど活躍しない。独特のルールによってゲーム的に展開する物語は、ドラマというよりも、やはりゲーム、しかも他の人がプレイしているゲームを傍観しているようで、味気ないとしか言いようが無い。

■VFXはダブル・ネガティブなので、仮想現実の町並みが二つに折りたたまれるビジョンなど、さすがに圧倒的で、SF魂を感じさせる演出は凄いのだけれど、ドラマ的に感心しないので、だからどうした?という感じだ。

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