DEATH SENTENCE
2007 スコープサイズ 106分
DVD
■自慢の息子を街のダニどもに殺害された父親は復讐を誓うが、それは無残な復讐の連鎖の始まりだった・・・
■期待以上に楽しいアクション映画の秀作。扱っている主題は今日的なもので、それなりに深刻劇でもあるのだが、アクションとサスペンスの活きの良さは、香港映画の良作を思わせる。大体、いまどき極端な広角レンズとステディカムでキャメラが動き回るなんて、実に時代錯誤な感じで、90年代初頭的(?)なスタイルだ。しかし、それがここではよく効いている。監督のジェームス・ワンのサスペンス演出とショック演出は痛快だ。中盤の立体駐車場の場面は、名シーンといえるだろう。
■主役のケビン・ベーコンの父子関係と街のダニにも五分の魂の敵役の父子関係の対比が太い骨格をなしていて、少々アクションで無茶をやっても、テーマ性に揺らぎが生じないようになっている。また、敵の父親を怪演じするジョン・グッドマンが凄い。ケビン・ベーコンに投げかける台詞も秀逸。
■ケビン・ベーコンがとにかくやたらと強いことが、悲劇を加速させているわけだが、この根拠不明な強さというのがアクション映画を面白くする肝なのかもしれない。