INVICTUS
2010 スコープサイズ 134分
ユナイテッドシネマ大津(SC1)
■イーストウッドの新作は、ネルソン・マンデラを主人公として、現在のアメリカの政治情勢を重ね合わせて、オバマ政権にエールを送る、随分露骨で単純な物語となっている。最近作のよく練られた脚本に比べると、かなりアバウトな印象で、史実を基にしていることもあり、あまり劇的な作りこみをしていない。正直、映画としては物足りない気がする。
■マンデラ大統領に呼びつけられたラグビーチームの主将が、マンデラの意図を言外に察する中盤の場面などは、作劇的によくできた見せ場だが、クライマックスの試合場面は、映画としては史実の単純な再現にしかならないので、サスペンスも盛り上がらない。(続く)