『コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション』

■密かに私淑する大口孝之氏が、我々特撮、SFX、VFXファンのために書き下ろしてくれた待望の著作。これ一冊で、CGの技術的発達と映画活用の歴史が概括できる教科書的著作だ。CGだけでなく、「2001年宇宙の旅」以降のハリウッド映画における特撮技術の歴史と技術史的主要人物も網羅されており、実用性(何の?)も高い。当然「さよならジュピター」や「SF新世紀レンズマン」といった日本映画における特撮、CGの発達史を語る上でに欠かせない作品も登場する。
■「トイ・ストーリー2」がもともとはビデオ用映画として製作開始されたことも初耳で、永らくスタンダード版DVDしか出ていなかったのも、もともとスタンダードサイズのフォーマットで制作されていたためだったのかもしれない。
■大口氏はCG関係の雑誌に新作映画のVFX技術動向に関する最新情報の記事を提供し続けてきた人なので、できればそうした記事を集めて単行本化していただければ、映画技術史の研究上は大変助かるのだが。

コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション

コンピュータ・グラフィックスの歴史 3DCGというイマジネーション

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