ミラクル7号 ★★★☆

長江七號
2008 スコープサイズ 88分
DVD

■劇場では見逃してしまったチャウ・シンチーの最新作。基本のアイディア自体はありきたりだが、細部のコメディを形成するアイディアが冴えている。発想はお馴染みの泥臭いものだが、チャウ・シンチーの映画話術が異様に洗練されていて驚く。実際、小学生レベルのうんこギャグもあるのだが、CGキャラクターの演技の妙や、カッティング、編集のリズム、全てが高レベルで運営され、楽しいことこの上ない。

■終盤の展開は少々アイディア不足でもあり、人の命を軽く扱いすぎているきらいがあるのだが、貧しい日雇い人夫の父親とその一人息子の情愛が丹念に描きこまれ、父子の人情映画としてもレベルが高い。脇に回ったチャウ・シンチーの、それでも隠しようの無いスター性が凄い。今回はカンフーアクションを披露するわけでもないのに、そのやつれぶりがやたらとカッコいい。

■とにかく、キャラクターのナナちゃんが、そのデザインセンスの微妙さを吹き飛ばす好演で、可愛い可愛い。顔の毛がふさふさした質感と、体の緑色のスライムのような伸縮自在な質感のありえない取り合わせが、演出として全て生かされているのが偉い。

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