次郎長三国志 第八部 東海一の暴れん坊 ★★★☆

次郎長三国志 第八部 東海一の暴れん坊
1954 スタンダードサイズ 103分
NHKBS2録画
原作■村上元三 脚本■小川信昭、沖原俊哉
撮影■飯村正 照明■西川鶴三 
美術■北辰雄 音楽■鈴木静一
監督■マキノ雅弘

■次郎長からお蝶の供養のため金毘羅代参を命じられた石松を主人公とした青春映画で、性春映画としても傑作。次郎長は完全に脇役の一人に格下げされ、その代わりに志村喬が貫禄と人間味溢れる親分を演じて、物語に深みを加えている。というか、志村喬の演技としては黒沢映画に匹敵する傑作である。
■この映画で石松は小政と出会うのだが、このとき小政が語って聞かせる自分の恋しい女のエピソードの種明かしが、第九部で行われ、振り返って見ると石松の恋の哀れさも倍増するという凝った趣向となっている。これはちょっと凄い。

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