キサラギ ★★★

キサラギ
2007 ヴィスタサイズ 108分
DVD
原作＆脚本■古沢良太
撮影■川村明弘　照明■阿部慶治
美術プロデューサー■杉川廣明　音楽■佐藤直紀
VFXスーパーバイザー■野崎宏二
監督■佐藤祐市

■小栗旬が名探偵コナンばりに明快な推理を開陳し、確かに若者には受けそうな舞台劇風密室推理（？）劇で、かなり頑張っているのに、肝心のラストに蛇足がダラダラと続くのは近年の日本映画の悪い癖だ。明らかに「アフタースクール」とはレベルが違います。
■自殺したアイドル如月ミキの一周忌を記念して集まったファン５人が成り行きでミキの死の真相に迫ることになる。だが５人は、皆曲者ばかりで、それぞれに秘密を抱えていた・・・
■というもともとは舞台劇であった物語を、登場人物が皆、実は・・・と語りだすという語り口でツイストを効かせて物語っていくのだが、演出には淀みが無く、実際かなり狭い１セットの中でよく飽きさせず見せ切る。本作の制作はなぜか共同テレビで、テレビ畑のスタッフがデジタル映画として制作したものらしいが、こうした物語の見せ方にはテレビドラマのノウハウが巧く適用できるようだ。観客の興味を引っ張り続けるというノウハウの存在は確かに確認できる。
■しかし、こうした映画で肝心なのは幕切れの鮮やかさにあるのであって、こんなにダラダラと無意味なＶＦＸの見せ場を繋げられても困る。ラストには如月ミキを見せてしまうのも、どういう考え方なのか理解に苦しむ。
■製作はミコット＆バサラ、東芝エンタテインメントほか、制作は共同テレビジョン。