ジュノ ★★★☆

JUNO
2008 ヴィスタサイズ 96分
イオンシネマ久御山(SC5)

■初体験で妊娠してしまった女子高生ジュノ(エレン・ペイジ)が、生まれてくる子供を引き取ってくれる里親を探し出し、その若夫婦との交流のなかで、円満と思われた若夫婦の間に齟齬を生じさせてゆくポップな青春映画。

■監督はアイヴァン・ライトマンの息子のジェイソン・ライトマンで、完全に父親を凌駕するシネアストぶり。映画の魅力の多くは脚本の語り口の洒脱さが負っているが、楽曲の選択も秀逸。ただし、日本人には(というか俺には)馴染みの薄い楽曲なので、十分にその魅力を味わうのは困難がある。こうした部分はパンフレットなどで補ってくれると嬉しいのだが、買ってないからわからない。

■またエレン・ペイジの演じる女子高生の溌剌としたキャラクターが面白く、明らかに脚本家ディアブロ・コディの自画像が混じっているだろう。里親の夫の方とH・G・ルイスの「血の魔術師」を見ながら意気投合する場面なんて、幾らなんでも若い年代の発想ではないだろう。

■ジュノの冴えない彼を演じるマイケル・セラのリアルな存在感がジュノと好対照となっており、巧く収拾されるラストはちょっと感動的だ。

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